見過ごしがちなお葬式に関する注意点

お葬式に関するマナーには、ついつい見落としがちとなってしまうポイントが少なくありません。お通夜から葬儀、告別式と受付への香典の差し出し方からご遺族へのご挨拶、そしてお焼香と、それぞれをそつなくこなせた一方、別の場面での失敗や失礼で全てを台無しにしてしまっては取り返しがつきません。

そうしたお葬式参列に際しての代表的な失敗例として、お通夜の後の通夜ぶるまい時の無用な長居と食べ過ぎ飲み過ぎです。翌日に葬儀と告別式を控え、ご遺族は既に心身疲弊されているにも関わらず、ふるまい酒と料理を遠慮もなく飲み食いし続け、他の弔問者が引き上げた後も、我関せず傍目にはご機嫌モードと映る存在は、失礼迷惑極まりありません。一口つけることこそ礼儀ですが、長居は控えて頃合いを見計らい、早目のタイミングで席を外すのがマナーです。

通夜ぶるまい、精進おとしは喪主がお世話になったお礼の気持ちを伝えるべく準備した席です。遺族や喪主は入り口に近い末席に、僧侶が同席する場合は最上席に座ります。その他の会社関係者や知人友人、親戚は、案内に従って着席します。気心の知れたお葬式の参列者と隣り合わせで話に花を咲かせたい、酌み交わしたいとの間違った意図から、勝手に座席を入れ替わるのはマナー違反です。

また、故人を偲んで杯を掲げるのは献杯で乾杯ではありません。披露宴ではなくお葬式の場ですので、献杯の声も控え目に杯を高く掲げ過ぎたり、献杯からの拍手も間違いです。ちなみに献杯の細かい作法は宗教によってだけでなく、同一宗教でも地方によって違いがみられる場合があります。立ち振る舞いに不安がある場合には、周囲の方々の様子を窺いながら、一拍遅れでも構いませんのでそれらに合わせて控え目に振る舞う対処法が賢明です。

この他、やむを得ず幼い子供を連れてのお葬式に参列する場合では、子どもが落ち着けず騒ぎ出したり泣き出してしまい、たしなめるべきところをヒステリックにその場で叱り始める保護者を見たことがあるかもしれませんが、これも失礼な行動に他なりません。周囲の方々にお詫びを伝え、速やかにその場所を離れるなど他の公共マナーに準じた対応が望まれます。